ロック中枢神経に

ダイレクト注入!

柔らかな光差し込む昼下がりのVIVA! STAGEを、11人という大所帯で盛り上げたのは、SKA SKA CLUB。活動休止期間もあったものの、17年以上を同じメンバーで活動してきたそのキャリアは、さすがにダテじゃない。VIVA LA ROCK特製フェス飯を食べて、ちょっと眠たげな午後3時のキッズたちのロック中枢神経に、ダイレクトに届いていくタイトでアッパーなサウンドを繰り出す。

冒頭から立て続けに“Waiting on a Van”、“Half the man”、“霧雨”の3曲を息つく暇もなく披露。「話してる暇はないんだ、今日はたくさん曲をやろうと思っている。Are You Ready?」と、颯爽とした身のこなしで観客を小粋にあおるグローバー義和と山森大輔の2人は、さながらバッドなブルーズ・ブラザーズといった雰囲気だ。

 

ハードロックの名曲を彷彿とさせるリフが印象的な“Steppin’ to the beat”、ヒップホップ・マナーでリリックを刻んだ“2 MC's, Drum & Bass, 2 Electric Guitars and 6 Brass”……スカを主軸にしながらも豊富な音楽的ルーツを感じさせる楽曲は、観客にダンスを止める隙を与えない。

「こんなのスカじゃねぇとか言われたりもしたけど…そんなのどうでもいいよねぇ(笑)」なんて、彼らはぼやいてみせたけれど、いや、本当にその通り! SKA SKA CLUBがこの日披露したカラフルな12曲には音楽への心からの愛情と尊敬が詰まっていた。「お前らのこと愛してるぜ!」最後の1曲、“Secret of the night”の前にフロアに向けて発せられたこの言葉は、音楽を愛する人、そして、音楽そのものへの祝福だった。

(江波戸 日)

セットリスト

1.Wating on a Van
2.Half the man
3.霧雨
4.Steppin' to the beat
5.Grapfruit Moon
6.2 MC's, Drum & Bass, 2 Electric Guitars and 6 Brass
7.Let it rain
8.bring me down?
9.Rebel Music
10.Best day of my life
11.Santa Monica
12.Secret of the night