このむき出しの感情。

まさに、エモーショナル!

STAR STAGE、2日目の3番手は高橋優。颯爽とステージにあらわれた高橋は大きく手を広げ、VIVA LA ROCKのオーディエンスに挨拶をする。笑顔を浮かべながら最初に演奏したのは“パイオニア”。本当の意味で「開拓者であることを恐れない」、そんな強い意志のこもったナンバーをシャウトする彼の姿は、どこまでも力強く雄々しい。真っ赤なライトが瞬く中、“(Where’s)THE SILENT MAJORITY?”を、全力のロック・サウンドで披露した後は、エレキギターに持ち替えロック・バラード“旅人”を一つ一つの言葉を沁みわたらせるようにプレイする。

ポップシーンのメインストリームにいながら、ここまでエモーショナルかつストレートに感情を露にするアーティストには、昨今なかなかお目にかかれないかもしれない。「既に全力で飛ばしすぎて少し声を嗄らしてしまってるんですが……そんな高橋優です」という言葉にまったく嘘はない。続いて披露された今月28日リリース予定の新曲“太陽と花”でも手加減することなく、むき出しの情熱をぶつけていく。この必死さ、この正直さ、このむき出しの感情が、高橋優の魅力だ。

秋田のなまはげの名文句を歌にした“泣ぐ子はいねが”では既にかなりいがらっぽくなってしまったスモーキーな声で観客にコール&レスポンスを要求。「声が嗄れていたって、すべてをぶつけたい!」という高橋の全力の想いに応えるようにオーディエンスも声を張り上げる。最後に披露されたのはブルージーなナンバー、“同じ空の下”。「孤独」に寄り添い、一歩前に進もうとする人の背中をぐっと押してくれるような高橋の力強い伸びやかに歌声と眼差しには、輝かしい未来への希望がこもっていた。

(江波戸 日)

セットリスト

  • 1. パイオニア
  • 2. 陽はまた昇る
  • 3. (Where’s)THE SILENT MAJORITY?
  • 4. 旅人
  • 5. 太陽と花
  • 6. 泣ぐ子はいねが
  • 7. 同じ空の下