じんわりと染み入る

美麗かつ凶暴な歌世界！

最終日、CAVE STAGEのトップバッターを飾るのはハルカトミユキ。

耽美なSEを背に、静かに登壇したふたり。ヘヴィなベースの音が鳴り響くと、ザラリとしたギターとキーボードが重なっていき、“Vanilla” からライヴがスタートした。儚さが響くヴァースから、ジワジワと熱を帯びて昇っていくようなハルカ（Vo&G）の歌が、フロア全体へとスーッと染み渡っていく。続けてハルカが「ハルカトミユキです」と短く挨拶すると、“マネキン”へと突入。ミユキ（Key&Cho）が跳ね回ってオーディエンスに手拍子を促しながらキーボードを弾き始めると、その凶暴な響きに合わせて、カラフルな照明が乱れ飛ぶ。タガが外れたように舞いながらキーボードを弾き倒すミユキと、ハルカの澄み切った歌声のコントラストが際立ち、彼女らの楽曲が内包する凶暴性や、愛故に刺す攻撃性がハッキリと表現されていた。

「この後、楽しい曲はもうないんですけど、心の中で熱くなれる曲達だから、自由に楽しんで欲しいです」とミユキが話すと、ハルカがアコースティックギターに持ち替え、弾き語りで“アパート”を披露。ゆったりとしつつ、力強さと切なさが同時に響いてくるハルカの歌が本当に綺麗で、オーディエンスも吸い込まれるように見入っていた。そのまま、新曲の“その日がきたら”、“青い夜更け”を立て続けに放ち、あっと言う間のステージは終了。美しい余韻が心に残った。

（矢島大地）

セットリスト

  • 1. Vanilla
  • 2. マネキン
  • 3. アパート
  • 4. その日がきたら（新曲）
  • 5. 青い夜更け（新曲）