眩しい光に包まれた一日のスタート
初開催のVIVA LA ROCKも、いよいよ3日間の最終日。メインアリーナのSTAR STAGEには、開演前からフロアの後方、スタンドにもぎっしり人が集まっている。そして、この日のトップバッターに登場したのは、フェスのプロデューサー・鹿野 淳が「実は最初にオファーしたのがこのバンドでした」と明かしたSPECIAL OTHERS。「このバンドのように自由なフェスになってほしくて」と語った通りの、たくさんの笑顔とハピネスを生みだすステージを見せてくれた。
柳下 "DAYO" 武史(G)、芹澤 "REMI" 優真(Key)、又吉 "SEGUN" 優也(B)、宮原 "TOYIN" 良太(Dr&Per)の4人がステージに登場すると、まずは音合わせ的に軽いセッションを開始。そのまま1曲目の“Surdo”へ。ギターとオルガンのまろやかな音色が絡み合い、自由闊達なドラミングと味のあるベースラインがオーディエンスを踊らせる。“ROOT”から又吉がアップライトベースに持ち替え“Uncle John”へと、人懐っこいフレーズと緩急つけたグルーヴの応酬で1万人以上のオーディエンスを歓喜の輪の中に巻き込んでいく。
続いては“PB”。そもそもSPECIAL OTHERSはインストゥルメンタルのジャムロックバンドで、直情的なメッセージとか、がむしゃらなエネルギーとかで勝負するタイプのバンドではない。それでもこの曲が生む熱狂は格別。繰り返されるフレーズがオーディエンスのテンションをどんどん高め、「楽しもう」という空気を充満させていく。
「VIVA LA ROCK最終日のトップバッターを飾らせていただき、光栄です」と、芹澤。宮原との掛け合いで「フェスのトップバッターといえば、サンボマスターがよくあるじゃん?」「山口さんは喋らない時間が2秒とないから、起きるのに最適なんだって」「でも、我々についに大役がまわってきたね」と、MCではユルいムードのトークも見せる。
ラストは“Laurentech”。最後はぎっしりと埋まったフロアに沢山の両手があがり、眩しい光に包まれてライヴは終了。5曲で50分。それがあっという間に感じられるステージだった。
(柴 那典)
セットリスト