2O20.06.23
まずはご報告、そしてお詫びを申し上げます。
2020年度、7度目のVIVA LA ROCKは、いつものように最高の空間であるさいたまスーパーアリーナでの開催を断念します。通常日程のみならず、夏の延期開催の模索までを公表しながら再び開催を断念したことを、深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ありません。
会場も含めて、延期開催実現に向けてのステップや可能性を考え続けて来ましたが、現状の中で皆さまをお招きしながら最高のロックフェスを開くことはどうしても難しいと判断しました。
重ね重ね、出演の意志を示してくださったアーティストや関係者の皆さま、当初の開催に向けてチケットを購入いただいた皆さま、支援の気持ちを込めてグッズを購入してくださった皆さま、少しでもこのフェスに興味を持っていただいた皆さま、本当にありがとうございました。そのお気持ちや行動を形にすることができなかったことを悔いながら、それでも何かできないか? 今だからこそ何をロックフェスとしてするべきなのか?と考え続けた結果、アーティストの皆さまに実際にライヴをしていただき、それを動画配信サービスのGYAO!によるオンラインで有料チケット制・生配信するという形での延期開催することに辿り着きました。
今回のオンラインでのフェス開催を目論んだ時に最初に考えたタイトルは、「フェスをしようよ」でした。星野源による「うちで踊ろう」をハミングしながら思いつき、この言葉をあのメロディに当てはめた時、どういう形になってでも、フェスをしたい、それを求めている人はきっといるはずだ、という妄想のような確信が勝手に芽生えたからです。タイトルに関しては多くのスタッフから宥められて「ビバラ!オンライン 2020」というシュッと締まったものになりましたが、このオンラインフェスに際して思うこと、願うこと、それは「共にフェスをしようよ」ということのみです。
フェスをしたい、フェスを皆さんに観せて魅せて共に楽しみ合いたい、あの空気、あの爆音、あの通じ合ったり繋がり合う一瞬の衝動をお互いに思い出し、来るべき時に向けての架け橋のようなものの一端になりたい。その気持ちを現状と照らし合わせた結果、生でライヴを行い、それを皆さんに生配信をし、同じ時間をロックと共に過ごすというオンラインフェスに辿り着きました。
もはや、この世界の多くのことは「安全のために避けておく」、「我慢しよう」ということばかりです。再びあの日常を取り戻すために、今果たすべきことはそれなのだと、僕らも思っています。ただ、それと同時に「本当に何もできないのか? 本当に何かもう一歩踏み込めることはないのか?」という気持ちもまた、自粛の中で募っていきました。その気持ちを絶やさずに、ひたすら試行錯誤を重ね続けた結果として開催にこぎつけたのが、今回の「オンラインによる生ライヴのフェス」です。オンラインの中でどこまで生々しく音楽を、ロックを楽しんでもらえるのか?を全力で追求しようと思います。どうかこのビバラ!オンライン 2020をロックフェスとして受け止めて欲しいと願っていますし、そのために全力を尽くそうと決意しています。
まだすべてをフィックスさせているわけではありませんが、大きめのライヴハウスを借りて、2ステージ制にて行う予定でいます。参加者を呼び込んでライヴをするのか否かについては状況を踏まえて判断しようと思いますが、現状の中では会場側と安全なレギュレーションを設定するのがまだ、難しい状況です。
出演アーティストに関してはこの後に段階を踏んで発表していきます。楽しみにしていてください。
なお、今回のオンラインフェスはチャリティーが目的のものではありませんが、一定以上の利益が生まれた場合は、音楽ライブエンターテイメント業界を支える事業者・個人の専門スタッフを支援する基金「Music Cross Aid」に寄付します。
正直、このビバラ!オンライン 2020がフェスとして、今後のライヴエンターテイメントとして、ベストの手段だとは思っていません。様々な意見もあるかと思います。ただ、これが今のベストだと思えるものにすべく頑張ります。そして必ずや来年のビバラへと繋げます。
当日はたくさんのライヴと共に、フェスに関しての様々なトークライヴも行うことと思います。フェスなので、なんらかの形でご飯やドリンクを視聴者の方々と共有できないか、今検証しています。
フェスやライヴこそが幸福な非日常の象徴だったことを考えると、今この何ヶ月間の非日常がCOVID-19に取って代わられたことに苦々しい気持ちでいっぱいですが、少しでもあの最高の非日常を鳴らし発信することで今の非日常を覆い尽くしたいと思います。
どうか見届けてください。そして何よりもライヴを、ロックを、あなたの人生を、この3日間の中で楽しみまくって欲しいと心から願っています。配信チケットについての詳細は、こちらを参照くださいませ。
最後になりますが、今この時も最前線で新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、患者の皆さまと懸命に向かい合ってらっしゃる医療従事者の皆さまに心からの感謝と敬意を表すると共に、大変な想いをされている多くの方々に1日も早く平穏な日々が訪れることを願っています。少しずつ日常に戻られている皆さまも油断することなく協力し合い、この事態を乗り越えていきましょう。よろしくお願い申し上げます。
VIVA LA ROCKプロデューサー・鹿野 淳