5.3 SUN 12:30-13:20 STAR STAGE
高橋優

その場の全員を「仲間」にする
情熱と笑顔に満ちたステージ

いつの間にかステージから目が離せなくなる。その場所に居合わせた人、全員を仲間にしてしまう。そんな、高橋優というシンガーソングライターの真価を発揮するようなステージだった。

VIVA LA ROCKには2年連続の登場となる彼。暗転すると、バンドメンバーのセッションに乗せて両手を高く掲げながら登場する。まずは挨拶代わりに、アコースティックギターを抱えて速射砲のような言葉を歌に乗せて繰り出す“BE RIGHT”をプレイ。「一番後ろまで見えてるぞ!」と叫び、目をむいて、笑顔を見せ、とにかくエネルギッシュに歌の持つパワーを解き放っていく。続いては「太陽よりも熱くなれるか!?」と“太陽と花”で男気に満ちたメロディを歌い上げ、「何でもいいから叫んでくれ!」と“パイオニア”へ。テンション高く煽り立てるビートにオーディエンスも飛び跳ねる。

池窪浩一(G)、小島剛広(B)、平畑徹也(Key)、DUTTCH(Dr)という敏腕のサポートミュージシャンを従えた5人編成でのステージ。骨太な演奏は度重なるライヴで鍛え上げてきたものだろう。「一緒に熱くなろうぜ!」と叫んだ“こどものうた” ではグルーヴィーにうねりながら頂上に向かっていくような無類の勢いを見せ、弾き語りからスタートした“未だ見ぬ星座”では声の浸透力とブルージーな味わいを聴かせる。

続いては「VIVA LA ROCKで初めて披露する曲です」と、6月にリリース予定の新曲“明日はきっといい日になる”。軽快なシャッフルビートに乗せて上向きな言葉を歌うナンバーだ。今年でデビュー5周年を迎える彼。MCでは「5年間歌ってきて、残る言葉というのは『昨日より今日』『今日より明日』という、毎日がちょっとだけよくなっていくことなんじゃないかと思って」と語っていたが、そんな思いをシンプルに形にしたような一曲。初めてのお客さんにもそれが着実な輪を広げる。

終盤は得意のコール&レスポンスと全身全霊のパフォーマンスでオーディエンスを巻き込んだ“泣ぐ子はいねが”でクライマックスを記録すると、ラストはお客さんも一緒に歌った“福笑い”で大団円。最後には「僕自身も『ロック万歳!』って気持ちになりました。我々の周りに音楽があってよかった!」と語り、深々と頭を下げ、地声で「ありがとうございました!!」と高々と告げ、高橋優はステージを降りた。

初めて彼のことを見た人も、きっと虜になったんじゃないだろうか。

(柴那典)

セットリスト

1. BE RIGHT
2. 太陽と花
3. パイオニア
4. こどものうた
5. 未だ見ぬ星座
6. 明日はきっといい日になる
7. 泣ぐ子はいねが
8. 福笑い